「このままじゃ、50代で行き場がなくなる…」深夜2時、私を襲った不安
私が本気で電気主任技術者への転職を考え始めたのは、あの夜のことでした。
30歳を過ぎて、不動産経理として働く日々。宅建も簿記2級も取得して、「これで安泰」と思っていた矢先、ふと鏡に映る自分の顔を見て凍りつきました。
「今の仕事、50代でも続けられる?営業や接客を避けたいのに、この会社で事務だけやらせてもらえる保証なんてない…」
気づけば23時。スマホで「女性 50代 転職 厳しい」と検索している自分がいました。
出てくるのは、厳しい現実ばかり。年齢を重ねるほど選択肢が狭まり、結局は非正規雇用やパート勤務に甘んじるしかないという記事。読めば読むほど、心臓が締め付けられるような不安に襲われました。
「私、このままだと…詰む」
そんな時、たまたま目にしたのが「電気主任技術者」という資格でした。
「この資格があれば、定年後も安定して働ける」
「専門職だから、年齢関係なく需要がある」
希望の光が見えた気がしました。
「でも、プライベートがなくなるって本当?」調べるほど増える不安
翌日から、私は電気主任技術者について徹底的に調べ始めました。
資格の難易度、受験資格、合格率…すべてメモしながら、「これなら私にもできるかも」と前向きになっていきました。
ところが。
体験談サイトや掲示板を読み進めるうちに、私の心は再び沈んでいきました。
「夜中の3時に呼び出されることもザラ」
「休日も気が休まらない。いつ電話が鳴るかわからないから」
「家族との時間?そんなものはない」
私の理想は、年収300万円でもいいから、趣味の小説書きや旅行を楽しめる生活でした。仕事はもちろん大切だけど、人生のすべてを捧げたいわけじゃない。
「結局、どの道も行き詰まるってこと…?」
パソコンの前で、私は頭を抱えました。
安定を取るか、プライベートを取るか。
なぜ、両方を手に入れることはできないのか。
転機:「電気主任技術者=激務」は思い込みだった
そんな堂々巡りの日々が1ヶ月ほど続いたある日、転職エージェントとの面談で、キャリアアドバイザーの田中さん(仮名)がこう言いました。
「電気主任技術者の仕事、実は職場によって全然違うんですよ」
え?
「急な呼び出しが多いのは、確かに一部の現場系や保守管理会社です。でも、ビル管理会社や公共施設、大手企業の設備管理部門なら、計画的な点検がメインで、ほぼ定時帰りも可能なんです」
その言葉を聞いた瞬間、霧が晴れたような感覚がありました。
私が見ていたのは、電気主任技術者の一面でしかなかった。
田中さんはさらに続けました。
「特に、フレックスタイム制度やリモートワーク可能な企業を選べば、プライベートとの両立は十分できます。実際、私が担当した30代女性の方も、年収350万円で週休二日、残業月10時間以内の職場に転職されましたよ」
【現実】電気主任技術者の「楽な職場」はこうやって見つける
田中さんのアドバイスをもとに、私は「電気主任技術者として働く」という目標を、より具体的に再設計しました。
✅ 狙うべき職場タイプ
1. 大手企業の設備管理部門
- 計画的な点検スケジュール
- 分業制で急な呼び出しが少ない
- 福利厚生が充実
2. 公共施設(図書館、市役所、学校など)
- 営業ノルマなし
- 安定した雇用
- ワークライフバランス重視の文化
3. 商業ビル・オフィスビルの管理会社
- 日勤メインの勤務形態
- フレックス導入企業も多い
- 年収250〜400万円帯が中心
⚠️ 避けるべき職場タイプ
- 工場の夜間保守
- 小規模な保守管理会社(人手不足で負担大)
- 24時間稼働の施設
私が見つけた「理想の働き方」への3ステップ
Step1:資格取得の戦略を立てる
第三種電気主任技術者の合格率は約10%。決して簡単ではありませんが、通信講座や専門学校を活用すれば、働きながらでも十分狙えます。
私はSATの通信講座(月額約1万円)を選びました。スマホで隙間時間に学習できる点が決め手でした。
Step2:転職エージェントで「条件」を明確に伝える
- 年収は300〜350万円希望
- 残業月20時間以内
- 休日出勤なし
- フレックスまたはリモート可
こうした条件を最初から明確に伝えることで、ミスマッチを防げます。
Step3:面接で「プライベート重視」を堂々と伝える
以前の私なら、「プライベートを大切にしたい」なんて言ったら不利になると思っていました。
でも、田中さんはこう言いました。
「今の時代、ワークライフバランスを重視する企業こそが優秀な人材を確保できるんです。堂々と伝えてください」
実際、面接で「趣味の時間も大切にしながら、長く安定して働きたい」と伝えたところ、逆に好印象を持たれました。
【リアル】転職3ヶ月後の今、私が手に入れたもの
現在、私は都内の商業ビル管理会社で電気主任技術者として働いています。
- 年収:320万円(前職よりやや減)
- 勤務時間:9:00〜17:30(フレックス可)
- 残業:月平均8時間
- 休日出勤:年1〜2回(事前調整可)
毎週末、カフェで小説を書く時間が取れています。年2回の旅行も計画通り。
何より、「50代になっても働けるかな…」という不安が消えたことが、私にとって最大の収穫でした。
まとめ:電気主任技術者の「楽な職場」は、探し方次第で見つかる
もしあなたが今、私と同じように「安定は欲しいけど、プライベートも諦めたくない」と悩んでいるなら、伝えたいことがあります。
「電気主任技術者=激務」は、単なる思い込みです。
職場選びを間違えなければ、年収300万円台でプライベートを大切にしながら、50代・60代まで安定して働ける道は、確実に存在します。
大切なのは、最初から条件を妥協しないこと。
あなたの理想の働き方を、まずは紙に書き出してみてください。
そして、その条件に合った職場を、専門家の力を借りながら探してみてください。
私にできたのだから、あなたにもきっとできます。
コメント